映画『図書館戦争』雑感ともうひとつの図書館戦争


めずらしく公開初日に映画をみました。映画「図書館戦争」です。

【あらすじ】
舞台は2019年の架空日本。公序良俗を乱す表現を規制するため制定された「メディア良化法」の元で検閲をする「良化特務機関」と、本と本を読む自由を守る「図書隊」との抗争が激化。
高校時代に検閲で本を奪われそうな所を図書隊員に助けられ、顔も名前もわからないその隊員を「王子様」と慕い追って図書隊に入隊した笠原郁。再会を夢見て訓練に励むが、実際は鬼教官・堂上篤にしごかれ罵倒される日々。類いまれなる身体能力がとりえの郁は、エリート精鋭部隊である”ライブラリー・タスクフォース(図書特殊部隊)”入りを果たし、堂上班に配属される。上官として厳しくも絶妙なフォローで郁を育てる堂上に、郁は王子様と違う憧れと想いを覚えていく。そんな中、「メディア良化法」の成立に関わる暗部が記された資料が収集されている小田原の「情報歴史図書館」が閉館。資料の移管をめぐって特務機関vs図書隊の史上最悪の戦いが始まった。郁は作戦から外され、図書基地司令・仁科巌の護衛に。小田原の戦いがピークに達したころ、最前線の堂上に、思いもよらぬ事件の知らせが・・。

原作はベストセラー作家・有川浩さんの代表作「図書館戦争」シリーズで、本編4巻・スピンオフ別冊2巻の計6巻シリーズという壮大なアクション&ラブストーリー。映画では、このうちタイトル巻「図書館戦争」でのエピソードが描かれています。
テレビアニメ、コミック、アニメ劇場版、そして今回の実写映画版と、原作発表の2006年から7年経った今まで各メディアで展開されているということで、原作人気と魅力のすごさがわかります。

私は2008年の深夜アニメ放送で初めて「図書館戦争」および有川浩という作家を知りました。ちょっと面白そうだなと原作小説に手を出したのが運のつき。 元々ド派手アクションや謀略が交錯するミステリー好き、そして何よりベタ甘ラブストーリーが大好物のワタシにとって、それが全部入った有川作品は、「来るぞ、来るぞ・・・」と待ち構えていた展開とセリフの数倍の殺傷能力で、私をはるか遠くまで吹き飛ばします。
男性なら言ってみたいセリフ、女性なら言われたら死ねるセリフ満載です(笑)。
→テレビアニメ 「図書館戦争」は全編無料で見られます(Youtube FujiAnimationチャンネル)

【映画の感想その1】 ド迫力のアクションは素晴らしい!

小説本は最初ハードカバーで買い、文庫本に買い直し、一旦自炊して、結局電子書籍で買い直すという 原作フェチの私が、今回の映画を見た率直な感想をネタバレギリギリで記しておきます。

作品としてはとてもうまくまとまっているし、アクション映画として十分楽しめました。主役の岡田準一&榮倉奈々コンビも、さすが雑誌「ダ・ヴィンチ」仮想キャスティング投票No.1!
あの身長のバランス(笑)がgood!

クライマックスの小田原攻防戦の銃撃シーンは日本映画では戦争ものでもあまりないほどの激闘かつ迫力で、たかだか書籍数千冊を守るために、これほどの死闘をしなければならないのかと思う一方で、人間が「読み、知り、考える」行為を制限されるということへの恐怖と弊害の大きさを表現したかったのかなと、単なるアイドル映画、ラブ&アクション映画ではない社会的メッセージが込められてる気がします。

とはいえ、小田原後の某作戦は、原作では確か秒殺だったはずが、「岡田準一・格闘インストラクターDVDかよ!」という長尺っぷり(笑)。
ファンサービスですね、わかります。確かにかっこよかったもの、あそこ。

【映画の感想その2】 LOVEはどうした!LOVEは!

番宣では「LOVE&ACTION」を謳ってたわりにはLOVEが弱いわ!原作がかなりベタ甘設定なだけに、ツンデレ堂上の「デレ」が少なすぎ。せっかくの岡田君なのになぁ。
映画終わりで岡田君ファンらしき女の子が言ってました。
「(原作通りのベタ甘だったら)卒倒するかと思ったけど、(意外にヒロインとの絡みがなくて)何とか踏みこたえたわぁ。」

聞こえてくる話を総合すると、彼女はコミックスを読んでいた模様。あー、コミックスは、後ろ抱っことか肩で泣くとかやりたい放題だからなぁ(笑)。あれを実写化されたらそりゃファンは泣くよな。・・・・ってか、私は完全そっちを期待していたんですけどー!

イケメン&ラブ度という観点からの感想を言わせてもらえば、

小牧ー!小牧をないがしろにするなーー!手塚よりセリフが少ないとは何事だ!
堂上&小牧&手塚の3イケメンが集う部屋飲みシーンは女子サービスの基本だろうが!
玄田隊長かっこよすぎw!
堂上、郁を後ろから抱えて耳元で「いい子だ喋るな」、のキュン死シーンはないんかーーい!

※小牧:図書特殊部隊員、堂上班メンバーで堂上のバディ。
※手塚:特殊部隊堂上班メンバー。郁の同期できってのエリート。
※玄田:図書特殊部隊 隊長。

隊長、(`゚Д゚´)ゞ以上であります!!

【映画の感想その3】 原作と映画との違い

そもそも「図書館戦争」シリーズは4巻ものなので、1巻だけで話がすべて片付くはずもなく、その点では映画化は難しかったんだろうなぁと思います。
ストーリー展開としては、原作では小田原攻防戦は一応図書隊の作戦勝ちのはずで、安堵して帰ったら、あの事件が・・・・という展開だったのが、映画では戦闘中止・撤退の理由としてその後の事件が使われたのが、原作を知っているとちょっと残念です。

また、原作で登場する図書基地司令・稲嶺和市は、実写化するなら故・児玉清氏しか考えられないという原作者側の意向で、映画では稲嶺を「日野の悪夢」と呼ばれる抗争事件で死亡した図書館長としての写真出演となり、映画では稲嶺の部下で「日野の唯一の生き残り」という設定のオリジナルキャラ・仁科巌(石坂浩二)を登場させています(実際は稲嶺が日野の生き残りで、妻も日野事件で失う)。確かに児玉さんの稲嶺司令を見たかったとは思いますが、石坂さんの司令もかなりはまっていたので、今後の映画続編も希望するファンとしては、もし続くとしたら、あの稲嶺エピソードをどうやって持っていくのかアレンジに興味はありますね。

→映画「図書館戦争」公式サイト

もしも電子書籍時代だったら「図書館戦争」は起こるのか?

本を守るために「戦い」が起こる。
それは物理的に、その手に抱きしめて愛おしみ、守り通す「本」があるからであり、その手から奪われんとするために戦うという感情も情景もうかびます。そんな状況は、データをやり取りし、個人の端末へ直接運ばれる電子書籍の時代では考えられず、そういった設定のストーリーすら生まれなかったことでしょう。
もし、規制するとしたらどうなるんでしょうね!
データの配信を止める→ハッキングする?→取り戻す?みたいなIT対決?それとも情報心理戦?
それはそれで面白そうな攻防があるのかもしれません。

しかし、映画の中で石坂浩二さん演じる仁科司令が大切に肌身離さず持ち歩いている本をテロリストに焼かれるシーンで言ったセリフがとても印象的でした。

「本は、本です。」

本は単なる物体だ。焼かせまいとして自分の命を捨てることではない。どんなに大切な個体が消えても、その内容と思い出は自分の心からは消えない。それは、書籍と言う形態が電子書籍に変わっても「読んだ」体験は変わらないし、本を愛おしむのは形だけではないのだと言われたような気がしました。

もう一つ、考えさせられた言葉は、「本を焼く国は、いつか人も焼く。」

思想を規制して、画一的な考え方を押しつけられ、考えることをやめてしまったら、この国はきっとダメになる。
「ナンバーワンよりオンリーワン」「運動会では順位を決めない」など、競争意識より変な平等意識が定着したり、就活生のリクルートスーツが黒・紺一辺倒の無個性になってしまったりとか、何やら正義があらぬ方向にゆがみつつある社会へのアンチテーゼとして、「メディア良化法」との闘いを描いていたのかもしれません。

「本を守る、あの人のために」

この映画では、「守る」という言葉がとても印象的に使われています。
そもそも「戦い」とは何かを守るために起きてしまうものだけど、人を守る、本を守る、想いを守る・・・、守りたいもののために強い自分でいたいと勇気が湧いてくるストーリーです。

原作「図書館戦争」シリーズ全編を通しても、いろんな登場人物がいろんなものを守っていきます。
しかも、それはちゃんとラブが入るのー♪

「あの子が自由に本を楽しむためにだけ正義の味方でいられたら、それ以外のことはどうだっていい」(小牧)
「守るに決まってるだろうが・・・・お前の本なら」(玄田)
(「図書館内乱」図書館戦争シリーズ(2) より)

「俺はくだらない連中からお前をプライベートで公然と守れるような立場が欲しいんだ」(手塚)
(「別冊・図書館戦争II」 図書館戦争シリーズ(6)より)

言わなそうな人が、サラーッとシラーっと心で思う言葉が切ないんですよ、有川作品は。

もし原作を読んでない人で、岡田君目当てでもいいから映画を見てストーリーが気に入った人は、是非「図書館戦争」シリーズの読破をお勧めします。
特にラブ要素に飢えてる人は、別巻でキュン死してください。そのためには本編を読破しない事には世界は味わえませんので念のため。アクション要素に飢えてる人も、ハードな社会派な人も、骨幹のテーマはかなり心に響く重厚感がありますよ。

【オマケ】もう一つの図書館戦争

映画の公開を口実に記念して各電子書籍ストアでは、原作本をからめたキャンペーンが始まっています。それはもう各ストアの「図書販売戦争」です。
同じ有川作品で、直木賞候補にもなった小説「空飛ぶ広報室」もテレビドラマ化されているため、春の有川まつり勃発です。

もし興味を持たれた方は、この機会にまとめ買いするのがお買い得でしょう。

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