出るか?TVドラマ過去最高視聴率!電子書籍で振り返る「半沢直樹」フィーバーと続編の行方


高視聴率フィーバーの元に最終回を迎えたTBSドラマ「半沢直樹」。私も半沢の痛快倍返しに日曜9時が楽しみでしたが、放送終了すると「サザエさんシンドローム」よりも「半沢シンドローム」がさらに月曜からの仕事が差し迫ってきそうな憂鬱にぼーっとする日々でした。

そういう意味では、ちょっとほっとしてるかも(笑)。

それでも、この1クール私は幸せでした。堺雅人ファン、北大路欣也ファン、そして池井戸潤さんの小説ファンの私のために作られた(?)ドラマですが、電子書籍ファンとして考えても、このドラマの電子書籍への影響と貢献は大変なものだったと思っています。

「下町ロケット」「空飛ぶタイヤ」など大ヒット作品がありながら、これまで一つも電子化されていなかった直木賞作家・池井戸作品。出版社都合なのか、それとも作者が電子化に反対なのか?
でも日経新聞電子版には「七つの会議」が連載してたし、半沢シリーズ最新作だって週刊ダイヤモンドに・・だし、いつかは順次電子化してくれると、とても心待ちにしていたのです。

でもドラマが好発進し、高視聴率を上げると、やおら原作小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」の電子化が決定。その後も続編「ロスジェネの逆襲」や同じ銀行マンを描いた「シャイロックの子供たち」が続々電子化され、ドラマ人気とともにその売れ行きも急上昇しました。

映像と活字のメディアMIXのブームの場合、火が付くスピードが速く、紙の書籍はすぐに在庫切れとなり、読みたい時期を逸することがしばしばですが、電子書籍の場合はそれがない。
普段は紙の書籍の方が好きな人でも、今回は「とりあえず今すぐ原作読みたいから」と体感して、このブームきっかけに電子書籍を買い始めた人も相当数いたに違いありません。

乗っかりましたよねー(笑)、電子書籍界!
半沢直樹は100倍返し以上の救世主だったのです。

ドラマ最終回のラストシーンでは、苦難を乗り越えて不正を暴いた半沢が昇格どころかまさかの出向命令が下され、怒りに震えた半沢のアップでカットアウト。
「えぇぇーーー!」と叫んだ人、いるでしょ(笑)? 結末は原作通りだからしょうがないんだけど、もう少しだけ心情回収があって、かつ今後を匂わせる終わり方だった方が物議を醸すことなかったでしょう。
せっかくついたファンが離れかねないかも?
個人的には、内藤部長の「戻ってこい。半沢。いや、俺が必ずお前を引き戻す!」という決め台詞を、あの渋い吉田鋼太郎さんの声で言われる日をずーっとずーっと待っていたのに、それもなしかよっ!の
「えぇぇぇーーーー!」でした。

半沢のこの後が気になりすぎたのか、出向後が描かれている続編「ロスジェネの逆襲」は、放送終了後から軒並み電子書籍ストアのデイリーランキング1位を取りまくっています。

もちろん、ドラマを見ていた人も見ていなかった人も最初の2作から通して読みたくなるでしょうから、まだまだ半沢フィーバーは続き、電子書籍ファンも半沢大明神には足を向けて眠れません。(ん?方向はどっちだw)

ドラマと原作との違い(1)半沢直樹の敵は誰だ?

ところで、原作とドラマの間には微妙な違いがいくつかありますが、どちらがいいという問題ではなく、原作の良さもドラマの良さもそれぞれあり、私は一粒で2度オイシイ思いをしていました。
ドラマを思い出すとともに、少し相違点などを総括してみたいと思います。

まず、全編通して一番大きな違いは「半沢の最大の敵・大和田常務」
原作での大和田常務は、東京編のみの黒幕で、半沢父との確執は皆無。ですがドラマでは、自分の親の悲劇と、世に存在する無念を抱えてつぶれていった破綻企業の理不尽さを半沢が一手に背負って戦う姿勢を核としており、その象徴として大和田に集約したのでしょう。

原作の半沢父の会社への融資を打ち切った産業中央銀行時代の担当者は、木村直高(現・業務統括部部長代理。ドラマでは出ていない)。西大阪スチールの件では、浅野支店長の差し金で本部から半沢の面談者として送り込まれ、出向に追い込む批判レポートを書いています。

直樹の入行が決まった時も父は生きており、
「お前、銀行に入ったら痛い目に合わせてやれ!」
直樹「まかせなよ、オヤジ!いつかとっちめてやる!」
「できるわけないじゃなーい!」
などと案外さらっと爽やかな(?)半沢家の会話が繰り広げられてますが、直樹自身の心の棘となって、入行以来ずっと木村の動向に目を光らせ続けていました。

また木村は、半沢と同期の近藤が精神的に追い詰められた時の秋葉原支店長であり、その点も半沢の逆鱗に触れたことから、大阪事件が解決後、本部栄転になった半沢は本部廊下で土下座を求めて、半沢父&直樹および近藤さんの無念を晴らしたのでした。

男のプライドにみしみしとヒビが入り、歪み、崩落する音が聞こえるようだった
-(「オレたちバブル入行組」より)

ストーリー内の比重はドラマより軽いものの、あの最も往生際の悪い「大和田土下座」の根幹になっている一文でした。そして個人的恨みを晴らしたという達成感よりも、銀行に絶望しこれからの組織を自分たちで変えていきたいという新たな決意のきっかけになったのです。

ドラマと原作との違い(2)オネェキャラ「黒崎」の真実

半沢のもう一人の天敵、オネェ言葉が特徴の強烈キャラ・黒崎駿一。私、このキャラ大好きであります(笑)。ラブリン(片岡愛之助)最高!

金融庁の検査官だった黒崎は、某大手銀行を金融庁監査で破たんに追い込み、それが「やりすぎだ」と非難されて国税局に出向、その時に半沢属する大阪西支店を担当し債権差し押さえ競争に負け、出向が終わって金融庁に復帰した時に、また東京本部で半沢と再会・・・リベンジに燃えるというのがドラマの設定です。

原作は金融庁のやり手検査官として東京編でのみの登場ですが、昔、大蔵省銀行局にいた黒崎父が当時の産業中央銀行に嵌められて左遷されていたことを恨んで、金融庁検査で銀行を追い詰める・・・ということになっています。そりゃそうだ、半沢とは初対面だからね、他に何か燃料がなかったら、あの激しい検査は仕掛けませんて。

どちらにせよ、本当は黒崎検査官は悪いことしてるわけでもなんでもないんですよね(笑)。もともと金融庁vs銀行、国税vs銀行は管理・検査する側される側として、怪しい案件は厳しく追及するのは当然のこと。

ドラマを見てても、結構黒崎側に立って、「さぁ、半沢さん、どぉするぅ?」と( ̄ー ̄)ニヤリしてたこともある私ですが、それをまた完膚なきまでにひっくり返してくれる半沢にスカーっとするんですよね。
・・・どっちやねんww。

金融庁検査でも返り討ちにあいコテンパンにされた黒崎。これで終わりと思いきや、大和田常務の腹心・岸川部長の娘と婚約して内通者になっていたとは、懲りない男です。

オネェなのに、まさかの「バイ返し」ですか!

ちなみに、続編小説で黒崎さんの登場はありませんが、これだけドラマの代名詞的存在になってしまっては、続編製作が決まったら、今度はどういう設定で絡んで来るのかな・・。話の展開上、転職でもしない限り難しいのですが、「瓜二つ」という禁じ手でもいいから再登場してほしいものです。

ドラマと原作との違い(3)まだいる半沢のバブル入行同期組

怒鳴りあい・騙しあいばかりで人間不信に陥りそうなドラマの中で、心がほっこりするのが仲間との結束エピ。半沢&渡真利&近藤トリオみたいに、本当に困った時に信じあえる仲間がいるって幸せなことですよね。

「自分の仕事はいつやってるの!」と突っ込まずにはいられない位に半沢のため獅子奮迅の働きをみせた渡真利くん。
困り顔の弱虫キャラと、開き直ってからのできる男キャラとのギャップに萌えた近藤さん。
(踊る大捜査線MOVIE3以降の王さん役では本当の中国人だと思っててすみません・・・w)

それにしても最終回の半沢さん、近藤を許すと言っておきながら剣道場のあれは叩きすぎじゃね?
ちょっと根に持ってるでしょー(笑)

原作ではあの広報部人事の前に、一度出戻りが貝瀬支店長から提示された時、自分の意思で断ったことに対し、半沢は「巻き込んで悪かった。さっきの提案断ってよかったのか?今度何かあったら本当に欲しいチャンスはつかめよ」とアドバイスするくだりがあります。

それを踏まえて、大和田からの「夢の広報部」人事を受け入れるわけで、近藤さんの家族愛がより強調され、しかも半沢側も素直に受け入れ、自分で戦う決意をする・・・という流れだったのですが、やっぱりあの位はやらせろ・・という方がリアリティがあるんでしょうかね。

ところで、メイン同期はこの二人ですが、原作ではまだまだ登場する名前があります。

苅田:関西法務室調査役で法務のプロになるべく司法試験を受けるが中々合格できない。
押木:口数は少ないが英語が堪能で成績優秀、 米駐在中9・11の同時多発テロで行方不明。

「オレたちバブル入行組」の冒頭では、彼らが就活中に出会って、内定をもらうまでのエピソードも描かれていて、他の2人の行く末も気になって仕方ありません。特に押木くんは、度々半沢達も口にして、「完全に死んだ」と言えないことから、今後絶対キーマンになってきそうな気もします。いつか敵役としてとか? だって切れ者みたいだし。

ちなみに、「ロスジェネ」では苅田君の法務知識がいいアドバイスになっています。グッジョブ苅田!

ドラマと原作との違い(4)半沢のオアシス「花ちゃん」の素顔はどっち?

口は悪いけど、半沢のために尽くし支えることを生きがいとする妻の鑑のような半沢夫人・花。上戸彩さんの天真爛漫なキャラと笑顔が、殺伐としたストーリーの中でオアシスのようにホッとする・・・という人もいれば、軽すぎて萎える・・とドン引きする人と世間は割れたようですね。

私はどっちでもないですが、堺雅人ファンとしては、あのとぼけた笑顔を見られる貴重なシーンを作ってくれてありがとうって感じですかね(´ー`)フッ。
この緩急ないまぜなところがドラマ版の大きな魅力です。倍返しだけじゃ疲れちゃう(笑)。

原作での花夫人の出番はさほど多くありません。無論、社宅での奥様会もありません。
大学の後輩として知り合い、直樹と結婚後も広告代理店で働いているキャリアウーマン。超合理主義で単刀直入に物を言うドライなキャラで、直樹もタジタジですが、言ってることは間違いじゃなく、ドラマとは別の意味で直樹の考えをまとめる手助けをしているかもしれません。
ただ、知ってか知らずか、原作の花ちゃん、ラストは半沢が出向くらって帰ってきたそばから、「実は私会社作りたいんだよねー」とのんきに言って、「頼むからやめてくれ」と肩を落とす直樹・・というところはかなりブラックで苦笑でした。

それにしても、大阪編で浅野支店長を追い詰める時の仮名を「花」にするとか、すぐバレるって!バカなの?半沢?・・とよく突っ込みながら見ていたものです(ドラマも小説もww)。

——-
【第一話~五話 大阪西支店編】原作

オレたちバブル入行組 /池井戸潤

【第六話~十話 東京本店編】原作

オレたち花のバブル組 /池井戸潤

半沢直樹の明日はどっちだ?シリーズはまだまだ連載中

ドラマは終了しましたが、小説の半沢直樹シリーズは今も続いています。
すでに単行本化されたシリーズ第三弾「ロスジェネの逆襲」では、東京セントラル証券に出向した半沢が、大手IT企業からライバル企業の買収という大きな仕事を任されていたが、親会社である東京中央銀行から案件を直前に横取りされる。そこに渦巻く欲望と深い闇に、バブル組の半沢達と共に、バブル崩壊後の「失われた10年」いわゆるロストジェネレーション世代の若者達が立ち上がる・・・というあらすじ。

ロスジェネの逆襲 /池井戸潤

私は正直シリーズ中で「ロスジェネ」が一番好きです。これまでは半沢の味方は同期組始め部内の数名しかありませんでしたが、ロスジェネでは半沢の人柄に触れた人たちがどんどんチームとなり結束して、幾重にも重なる陰謀を崩していくところや、株の売買という時間との勝負や情報戦の駆け引きがすごくスリリングで読み始めたら終わりまで止まれないという面白さです。

どちらかといえば、連続ドラマより2時間位の映画で一気に見たい気がしますが、ドラマもそれぞれの群像劇が細かく描写できそうで、それも魅力・・。とにかくまた早く続きが見たいです!

そして、現在「週刊ダイヤモンド」で連載されているシリーズ第四弾「銀翼のイカロス」は某大手航空会社の経営再建を手掛ける半沢と政治家との攻防・・。
あー、J〇Lですか。民〇党ですか、わかりやすい(笑)。

記憶に新しい社会問題を描いているせいか、リアリティと緊張感がたまらなく面白そうです。早く単行本で
読みたいですね。
「イカロス」は2013年5月から連載スタートされているので、終わるのは一年後ぐらいでしょうか?
うー、待てない。早く読みたい。ダイヤモンド定期購読しちゃいたくなりそう・・・。

⇒週刊ダイヤモンド詳細

—-
ドラマ半沢直樹原作シリーズは、各主要電子書籍ストアで発売されています。
ドラマ人気を受けて、ポイントキャンペーンなど各種開催中なので、この機会に読み直してみるのがお得です。

楽天koboイーブックストア 、Kindleストア 、BookLive! 、SONY Reader Store 、紀伊國屋書店 ウェブストア


電子書籍リーダーズカフェ © 2017 All Rights Reserved

電子書籍リーダーの体験レビューや各種端末・書籍の情報をまとめた電子書籍総合サイト

Designed by WPSHOWER

Powered by WordPress